経営承継円滑化法
〇この記事を読むのに必要な時間は約2分2秒です。
目次
1 経営承継円滑化法とは?
中小企業における経営者の高齢化や後継者不足等を原因として、中小企業の廃業増加が社会問題となってきたことを背景に、国が、法律面、税制面、金融面等の様々な側面から総合的な事業承継を図るため制定された法律です。
2 遺留分に関する民法の特例とは?
経営承継円滑化法の中の柱の一つとして、遺留分に関する民法の特例があります。この特例は、後継者を含めた現経営者の推定相続人全員の合意の上で、現経営者から後継者に贈与等された自社株式について、
① 遺留分算定基礎財産から除外(これを「除外合意」と言います。)
又は
② 遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定(これを「固定合意」と言います。)すること
が可能となりました(両方を組み合わせることも可能。)。
これにより、①については、後継者が現経営者から贈与等によって取得した自社株式について、他の相続人は遺留分の主張ができなくなるので、相続に伴って自社株式が分散するのを防止できます。また、②については、自社株式の価額が上昇しても遺留分の額に影響しないことから、後継者は相続時に想定外の遺留分の主張を受けることがなくなります。
3 遺留分に関する民法の特例を利用するには?
このような民法特例を利用するには、以下の要件を満たした上で「推定相続人全員の合意」を得て、「経済産業大臣の確認」及び「家庭裁判所の許可」を受けることが必要です。
① 会社:中小企業者であること。
→ 合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場企業であること。
② 現経営者:過去又は合意時点において会社の代表者であること。
③ 後 継 者:・合意時点において会社の代表者であること。
→ 現経営者からの贈与等により株式を取得したことにより、会社の議決権の過半数を保有していること。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
最新記事 by 弁護士法人ふくい総合法律事務所 (全て見る)
- 相続問題の弁護士の選び方 - 11月 29, 2024
- 相続人から訴えられたときの流れと注意点 - 11月 24, 2024
- 相続人と連絡が取れないリスクと対処法 - 11月 23, 2024