相続とは?弁護士が解説する基本と「争族」を避けるためのポイント
〇この記事を読むのに必要な時間は約6分18秒です。 
相続は、いつか誰にでも起こりうる、とても身近な法律問題です。 しかし、「うちは財産があまりないから大丈夫」「家族の仲が良いから、もめるはずがない」と思っていると、後々、ご家族の間で思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
私たち弁護士法人ふくい総合法律事務所は、福井の地で開業して15年以上、相続のご相談に数多く向き合ってまいりました。
その中で、相続をきっかけにご家族の関係がこじれてしまう、いわゆる「争族(そうぞく)」となってしまった悲しいケースも、残念ながら見てきています。
今回の記事では、そうした福井での実務経験を踏まえ、まずは「相続とは何か」という基本的な知識と、どのような点がトラブルの火種になりやすいのかについて、分かりやすく解説していきます。
相続について、なんとなく不安をお持ちの方や、将来のために基本的なことを知っておきたいという方は、ぜひご一読ください。
目次
そもそも「相続」とは?

相続とは、一言でいえば、亡くなられた方(法律用語で「被相続人(ひそうぞくにん)」といいます)が所有していた財産上の地位を、特定の人(「相続人(そうぞくにん)」といいます)が引き継ぐことを指します。
現在の日本の法律では、もし被相続人が遺言書を遺していなかった場合、その方の配偶者や、お子さん・ご両親などの血族(けつぞく)が相続人となり、遺産を引き継ぐことが定められています。
誰がどの順番で相続人になるのかは、民法という法律で細かく決められています。
プラスの財産だけではない?借金も引き継ぐ「マイナスの相続」
ここで、相続において非常に注意しなければならない点があります。 それは、相続人が引き継ぐのは、必ずしも「プラスの財産」ばかりではない、ということです。
例えば、亡くなられた方が不動産や預貯金といったプラスの財産を持っていたと同時に、知人からの借金やローンの残りといった「マイナスの財産」も持っていたとします。 この場合、相続人は、原則としてそれらプラスの財産とマイナスの財産の両方を引き継ぐことになります。
もし、亡くなられた方が借金などマイナスの財産しか持っていなかった場合、相続人はそのマイナスの財産を引き継がなければならない、ということにもなりかねません。
借金を背負わないための手続き「相続放棄」という選択
ある日突然、自分が知らなかった親族の借金を背負うことになってしまうとしたら、それはあまりに理不尽なことだと感じるでしょう。 もちろん法律も、そのような場合に備えた救済策を用意しています。
もし、亡くなられた方の財産を調べた結果、プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが明らかに多い、あるいは清算してもマイナスの財産しか残らない、という場合。 このようなケースでは、「相続放棄(そうぞくほうき)」という制度を利用することができます。
相続放棄とは、家庭裁判所に申立てを行うことで、文字通り「相続する権利を放棄する」手続きです。
これが認められると、その人は初めから相続人ではなかったことになります。
つまり、プラスの財産を一切引き継ぐ権利がなくなる代わりに、借金などのマイナスの財産も一切引き継がなくてよくなるのです。
なぜ相続は「もめる」のか?トラブルになりやすい6つの火種
相続放棄によって借金の問題は回避できるかもしれませんが、相続には他にもトラブルになりやすい点が多く潜んでいます。
テレビドラマなどで、親族が遺産を巡ってもめている場面を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、私たちの事務所にご相談に来られるケースでも、「誰が」「いくらの財産を」引き継ぐのかという点で、ご家族・ご親族が対立してしまうことは珍しくありません。
特に、以下のような事柄が紛争の火種になりやすい傾向があります。
1.遺言の有無や効力 (そもそも遺言書があるのか、見つかった遺言書は法的に有効なものか)
2.相続人または受遺者の範囲 (自分以外に相続人がいるのか、遺言で財産をもらう人は誰なのか)
3.相続財産の範囲 (被相続人が遺した財産は本当にこれだけか、特別受益などはないか)
4.寄与分(きよぶん) (特定の相続人が、被相続人の生前に介護などで特別な貢献をしたかどうか)
5.具体的な分割方法 (実家など、簡単に分けられない不動産をどう分けるか)
6.遺留分(いりゅうぶん) (法律で保障された最低限の取り分が、他の相続人や遺言によって侵害されていないか)
相続トラブルの解決を弁護士に相談すべき理由
仮に、一度ご家族やご親族の間で相続の争いが起きてしまった場合、当事者同士だけで問題を解決することは非常に難しくなります。
お金の問題だけでなく、それまでの家族関係や感情的な対立も複雑に絡み合い、冷静な話し合いが困難な状況に陥りやすいためです。
このような場合、相続問題のプロフェッショナルである弁護士が間に入ることが、スムーズな解決への近道となります。
弁護士は、法律の専門家として法的な問題を整理するだけでなく、第三者の客観的な立場で皆様の話し合いをサポートし、相続問題を円満な解決へ導くお手伝いをすることが可能です。
まとめ
今回の記事では、相続の基本的な定義から、借金といったマイナスの財産も引き継いでしまう可能性、そして遺言や寄与分など、ご家族間でもめやすい典型的な火種について解説いたしました。
相続問題は、一度こじれてしまうと、その解決までに非常に長い時間と大きな精神的労力が必要となってしまいます。
福井にお住まいの皆様が、大切なご家族との間で「争族」となってお悩みになる前に、まずは弁護士にご相談されることをお勧め致します。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
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