同居は相続に有利になる?寄与分の主張と認められるための要件

 

この記事を読むのに必要な時間は約7分53秒です。

同居していた家族が亡くなった際に、遺産相続の話し合いを有利に進めたいと考える人は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、被相続人の同居人としてより多くの遺産を相続できる可能性のある方法について、詳しく解説していきます。

相続の話し合いをスムーズに進めるためのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

 

基本的に同居しているだけでは相続で有利にならない

相続において、被相続人との同居は一見有利に思えるかもしれませんが、法的には直接的な利益をもたらすものではありません。

続では、遺言書が残されている場合を除いて、民法で定められた各相続人の取り分である「法定相続分」にもとづいて遺産を分割することが話し合いのベースになります。

被相続人と同居している相続人がいたとしても、法定相続分には影響しないため、多く遺産を受け取れるとは限りません。

ただし、寄与分の主張によって、より多くの遺産を相続できる可能性はあります。

 

被相続人の同居人がより多くの遺産を相続する方法

被相続人の同居人がより多くの遺産を相続する方法は、「寄与分を主張し相続人の合意を得る」となります。

これにより多くの遺産を相続できる可能性がありますが、自身が要件に該当するかどうかは、事前に確認しておく必要があります。

それぞれの方法について、以下で具体的に見ていきましょう。

寄与分を主張し相続人の合意を得る

寄与分を主張し、相続人全員の合意を得られれば、法定相続分よりも多くの遺産を相続できます。

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした人がいる際に、貢献の度合いに応じ相続分を超えて受け取れる遺産です。

具体的には、「長期にわたって被相続人の療養介護を行っていた」、「負担の大きい家業を無償で手伝っていた」などが特別の寄与に該当しうるケースです。

同居人として被相続人に対して特別の寄与があった証拠をきちんと準備できれば、相応の寄与分を認められる可能性が高まるでしょう。

寄与分が認められるための要件

寄与分が認められるための要件には、以下のようなものがあります。
・寄与行為が相続開始前に行われていたこと
・寄与行為が一定期間以上であること
・関係性から通常期待される程度を超えていること
・被相続人から対価を受け取っていないこと
・被相続人の財産の維持や増加に因果関係があること

自分が要件を満たしているか、ほかの相続人を納得させられる証拠を提出できるかは事前に検討し、主張すべきかどうかを判断しましょう。

なお寄与分が認められるのは基本的に相続人のみですが、特別寄与料の制度を利用すれば、相続人以外の親族も金銭を受け取れる可能性があります。

 

相続で同居人の寄与分が認められにくい3つの理由

被相続人の同居人の寄与分が認められにくい理由として挙げられるのは、主に次の3つです。
・要件を満たすのが難しい
・証拠となる資料を揃えるのが困難
・相続人の間で対立が起こりやすい

実際の相続手続きにおいて、寄与分が考慮されるケースはそれほど多くありません。

なぜ寄与分が認められにくいのか、その理由を以下で詳しく解説していきます。

要件を満たすのが難しい

寄与分が認められにくい理由の一つは、要件を満たすのが難しい点です。

被相続人との関係性から通常期待される程度を超える寄与行為が対象となるため、一般的に家族間で行われるような援助や日常の支えといった行為では認められません。

たとえば、長年にわたって家事の支援や病院の送迎などを行っていたとしても、寄与分の要件を満たしていると判断されるケースは少ないです。

寄与分が認められるためには、同居している親子であっても通常そこまではしないといえるような、特別な寄与行為をしていた事実が必要になります。

証拠となる資料を揃えるのが困難

寄与分を主張する際、証拠となる資料を揃えるのは困難です。

原則として、寄与分は相続人同士の話し合いで決定するため、ほかの相続人が納得していれば、要件をすべて満たしていなくても認められるケースもあります。

しかし、寄与分を認めようとしない相続人がいる場合や、調停・審判を申し立てる場合には、要件を満たしていると証明できる資料を用意しなければなりません。

同居している家族に対して特別な寄与行為をしていると考えている人は、日々の記録や領収書などは積極的に残しておくようにしましょう。

相続人の間で対立が起こりやすい

寄与分を主張すると、相続人の間で感情的な対立が起こりやすい傾向にあります。

寄与分は相続人全員の遺産の取り分に影響するため、納得できないと主張する相続人が出る可能性もあるでしょう。

とくに客観的な証拠が不十分なまま寄与分で揉めると、相続人同士の関係悪化や相続手続きの長期化などのリスクがあります。

相続の話し合いで寄与分を主張する際は、リスクも考慮した上で慎重に判断する必要があります。

 

相続の話し合いをスムーズに進めるポイント

相続に関する話し合いをスムーズに進めたいときは、次の2つのポイントを意識しましょう。
・話し合った内容は都度議事録やメモに記録しておく
・ほかの相続人の希望や意見もしっかり聞く

相続人の間での話し合いは感情的になりがちで、予期せぬ対立や誤解を生む場合があります。

トラブルを避けスムーズに話し合いを進めるポイントを、以下で一つずつ解説していきます。

話し合った内容は都度議事録やメモに記録しておく

相続における話し合いでは、話し合った内容を都度議事録やメモに残しておくようにしましょう。

相続にはさまざまな要素がかかわり複雑になるケースが多く、一度の話し合いですべて決定できるとは限りません。

そのため、後日あらためて話し合った際に、誤解や記憶違いによる意見の食い違いが発生する可能性があります。

不要なトラブルを避けるためにも、何が話し合われたか、どのような決定がされたかは日付とあわせて記録しておくのが望ましいです。

ほかの相続人の希望や意見もしっかり聞く

相続の話し合いにおいては、ほかの相続人の希望や意見を公平に聞くようにしましょう。

自分の主張ばかり優先したり、感情的になってしまったりすると、話し合いが決裂し大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

相続人がもつ視点や感情は一人ひとり異なるため、それぞれの意見を尊重し、理解しようとする姿勢が大切です。

公平かつスムーズに遺産を分配するためには、中立の立場で話し合いを進めていくのがポイントです。

 

被相続人の同居人として相続を有利に進めたい場合は専門家に相談しよう

被相続人と同居していた事実だけでは、相続を有利に進めるのは難しい場合が多いです。

また寄与分は要件が細かく定められているため、法律的な知識がないと該当しているかどうかを判断するのも困難です。

少しでも遺産を多く受け取りたい、相続税の負担をできるだけ軽減したいと考えている場合は、まず専門家である弁護士や税理士に相談するのをおすすめします。

相続問題に注力している専門家に相談すれば、相談者の状況に応じた具体的なアドバイスを得られるでしょう。

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