遺産の使い込みが疑われた案件で、弁護士が代理人として遺産分割調停の途中から参加した事例
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目次
状況
父親であるMさんを亡くされたAさんからのご依頼でした。
Aさんは、3人兄弟の次男で、他の相続人には、Bさん、Cさんがいました。
もともと相続を巡ってBさんとCさんが対立しており、Bさんが遺産分割の調停の申立を行いました。Aさんは調停の始まったころはよく事情を把握していませんでした。
そのため、Aさんも最初のうちは、弁護士の代理人をつけずに、自ら調停に出席していました。
しかし、何度か調停に出席し、提出された証拠の中に被相続人のMさんの通帳等の履歴を見ると、要介護状態であったMさんの通帳から何度も不自然に高額なお金が引き出されていたことも発覚し、同居していたCさんが使い込んでいる可能性が高いと考えました。
また、Bさんも、Cさんも代理人弁護士を依頼していたことから自分だけ代理人弁護士をつけないことが不安になってきました。
そこで、当事務所に相談に来ました。
弁護士からのご提案および実施したこと
本件においては、Cさんの使い込みをしている可能性が高いこと、調停で解決しない場合には不当利得返還請求(または不法行為に基づく損害賠償請求)として別訴を提起することを提案しました。
本件では、Aさんとしては適正な解決を望まれたため、調停の途中からご依頼を受け、当事務所の弁護士が代理人となりました。
結果
当事務所の弁護士が、Aさんと一緒に調停に出席することになりました。Cさんが調停においては使い込みを認めなかったため、不当利得返還請求の別訴を提起しました。
別訴の中で、Cさんが使い込みをしていたことの主張立証を行ったところ、Cさんも一定の使い込みを認めました。
最終的には、別訴と、遺産分割の調停についてもまとめて解決することになり、Cさんが使い込みをした金額を差し引いた内容の遺産分割協議が成立しました。
所感
被相続人の財産の使い込みについては立証として押さえるポイントが何点かあり、判例などから客観的に考え、主張・立証していくことが肝要になります。
使い込みについて気になる点がある方は、まずは弁護士に相談することをお勧めいたします。
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