相続は弁護士に相談すべき?依頼するメリット・デメリット

 

この記事を読むのに必要な時間は約8分43秒です。

相続ではさまざまな問題が発生する可能性があり、適切な対応が求められます。

手続きを進める上で、専門家である弁護士への相談や依頼を検討する人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、相続問題を弁護士に相談・依頼するメリットや、弁護士を選ぶ際のポイントなどについて詳しく解説します。

弁護士に相談すべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

相続の問題を弁護士に相談・依頼するメリット

相続の問題を弁護士に相談・依頼することには、以下のようなメリットがあります。
・遺言書を適切に作成できる
・相続手続や遺産分割協議の代理人となってもらえる
・相続放棄や限定承認の判断を仰げる
・遺産分割をスムーズに進められる
・相続人間のトラブルを回避できる

法律の専門知識をもつ弁護士は、複雑な相続手続きをスムーズに進めるための強力なサポート役です。

弁護士に相談・依頼する具体的なメリットについて、以下で解説していきます。

遺言書を適切に作成できる

遺言書を適切に作成できるのは、弁護士に相談・依頼するメリットの一つです。

遺言書を作成しておけば、遺言者の希望に沿った遺産分割が実現し、相続人間で争いが起こるリスクも軽減できます。

しかし、法律に沿った形式・内容でなければ、作成した遺言書が無効となってしまう可能性があります。

弁護士のサポートを受ければ、有効な遺言書を適切に作成できるでしょう。

相続手続や遺産分割協議の代理人となってもらえる

弁護士に依頼すると、遺言書の検認・相続人や財産の調査などの相続手続・遺産分割協議などの代理人となってもらえます。

相続手続きは、状況によっては非常に煩雑で時間がかかるものですが、弁護士に依頼すれば依頼者の負担を軽減できます。

また、不備や誤りが発生するリスクを軽減でき、スムーズに手続きを進められるのも弁護士に依頼するメリットです。

相続放棄や限定承認の判断を仰げる

弁護士に相談・依頼すると、相続放棄や限定承認の判断を仰げるメリットもあります。

相続放棄は被相続人の財産を相続する権利を放棄する手続きで、限定承認は相続によって得たプラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産を引き継ぐ手続きです。

どちらも一度行うと原則として取消しができないため、被相続人の財産状況を調べた上で慎重に判断する必要があります。

弁護士であれば専門家の観点から相続放棄や限定承認すべきかどうか判断できるため、迷ったときは一度相談してみるのがおすすめです。

遺産分割をスムーズに進められる

弁護士に依頼すると、相続の際の遺産分割をスムーズに進められる可能性が高まります。

遺産分割は原則として相続人全員の合意が必要となるため、ほかの相続人に納得してもらえなかったり、話し合いが長期化したりするケースも多いです。

専門家である弁護士の関与によって、相続人間の感情的な対立を和らげられるため、迅速かつ円滑な遺産分割が期待できるでしょう。

相続人間のトラブルを回避できる

相続人間のトラブルを回避できるのも、弁護士に相談・依頼するメリットの一つです。

相続は、家族や親族間の感情的な問題も大きく関係するため、揉め事が発生しやすいです。

遺産の分割や相続方法に関する意見の相違が、深刻な対立を引き起こしてしまうケースもあるでしょう。

弁護士はトラブル解決の専門家であるため、適切な助言と調整力によって、相続人間の対立を避けられる可能性があります。

 

相続問題を弁護士に相談するタイミング

相続問題を弁護士に相談すべきタイミングの一例として、以下のような状況が挙げられます。
・相続人の数が多いとわかったとき
・遺産の分け方で意見の違いがあるとき
・遺産分割案に納得ができないとき
・相続財産がなくなっていると気づいたとき

現段階で問題が発生していなくても、今後トラブルになる可能性がある場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談するのが望ましいです。

大きなトラブルに発展したり、遺産分割で損をしたりする事態を防ぐためにも、悩んだときは早めに弁護士に相談しましょう。

 

相続問題を依頼した際の弁護士費用相場

法律事務所によっても幅がありますが、相続問題を弁護士に依頼した場合の一般的な費用相場は以下のとおりです。

相談料 30分あたり5,000円~10,000円程度
着手金 20万円~50万円程度
報酬金 経済的利益の10%~15%程度
実費 数万円程度
日当 1回あたり3万円~10万円程度

相談料は、弁護士に法律相談した際に発生する費用です。

正式に弁護士に依頼すると、依頼内容に応じて着手金・報酬金・実費・日当などの費用が発生します。

上記の金額はあくまでも目安であり、依頼内容や案件の複雑さなどによって大きく変動するため、依頼する前にしっかり確認するようにしましょう。

 

相続に強い弁護士を選ぶポイント

相続に強い弁護士を選ぶ際は、次のようなポイントをチェックするのがおすすめです。
・相続問題の実績が豊富
・費用を明確に示してくれる
・不利な情報も教えてくれる
・税理士や司法書士などと連携している

これらに当てはまる弁護士であれば、依頼者の状況に応じた適切なサポートを提供してくれるでしょう。

選び方のポイントについて、以下で具体的に解説していきます。

相続問題の実績が豊富

相続問題を相談する際は、相続に関連するトラブルの対応実績が豊富な弁護士を選ぶのがおすすめです。

得意分野や注力している問題の内容は、弁護士によって大きく異なります。

そのため、依頼する前に、所属している法律事務所のホームページなどに掲載されている情報を確認するようにしましょう。

解決事例が多かったり、相続に関する記事や専門書を執筆していたりする弁護士は、相続問題の経験・実績が豊富と判断できるでしょう。

費用を明確に示してくれる

依頼費用を明確に示してくれるかどうかも、弁護士を選ぶ上で重要なポイントです。

弁護士に依頼する際は、相談料のほか、着手金・報酬金・実費・日当などさまざまな費用が発生します。

事前に費用の詳細を聞いておかないと、後々のトラブルの原因となりかねません。

依頼前に費用の内訳をきちんと説明してくれる弁護士であれば、費用に関する不安を解消でき、安心して任せられるでしょう。

不利な情報も教えてくれる

信頼できる弁護士は、依頼者にとって不利な情報も隠さずに教えてくれます。

相続手続きには、予期しない問題やリスクが伴う可能性があります。

たとえば、依頼者の希望がすべて通らない可能性や、裁判に発展した場合のリスクなどは、依頼前の段階で説明してもらった方が安心できるでしょう。

不利な情報であっても正直に伝え、対策を一緒に考えてくれる弁護士は、信頼性が高いといえます。

税理士や司法書士などと連携している

税理士や司法書士など、ほかの専門家と連携している弁護士を選ぶのもおすすめです。

ほかの専門家と連携している弁護士であれば、複数の専門家を探さなくても、すべての相続問題を一括して任せられます。

とくに不動産の名義変更(相続登記)や相続税申告に関する手続きは専門的なため、弁護士だけでは対応できない可能性があります。

相続手続きの負担をできるだけ軽減させたい場合には、税理士や司法書士などと連携している弁護士を選ぶといいでしょう。

 

相続で不安があれば早めに弁護士に相談しよう

相続問題は個人で解決するのが難しいケースも多いため、不安なことがあれば専門知識をもつ弁護士に相談するのをおすすめします。

弁護士は、遺言書の作成や相続手続きの代行、相続人との交渉など、さまざまな場面で適切なサポートを提供してくれます。

問題が大きくなる前に対策を講じるのが望ましいため、できるだけ早い段階で弁護士への相談を検討してみてください。

 

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