相続について無料で相談できる主な機関
〇この記事を読むのに必要な時間は約7分39秒です。
突然相続が発生し、どのように手続きを進めればいいのか、どこに相談すべきかわからないという人は多いのではないでしょうか。
相続に関する悩みや疑問が生じたら、専門家による無料相談を活用するのがおすすめです。
弁護士や司法書士といった専門家の事務所や公的機関では、相続の無料相談を受け付けている場合があります。
今回の記事では、相続の無料相談ができる窓口や、無料相談する際のポイントについて詳しく解説していきます。
目次
相続の無料相談ができる相談先
相続の無料相談ができる相談先には、以下のような種類があります。
・弁護士|相続問題全般や相続トラブルに関する相談
・司法書士|不動産の名義変更(相続登記)に関する相談
・税理士|相続税対策や相続税申告に関する相談
・市役所や区役所|各自治体による無料相談会を実施
・税務署|相続税に関する基礎的な相談が可能
・法テラス|無料相談のほか依頼費用の立替制度もある
それぞれの相談先には異なる役割や特徴があるため、相談したい内容に合わせて選択しましょう。
代表的な相続の無料相談先について、以下で一つずつ解説していきます。
弁護士|相続問題全般や相続トラブルに関する相談
弁護士は、法律に関する問題に幅広く対応している専門家です。
相続問題の法的な側面についてのアドバイスや、相続人間で争いが生じた場合の対応に強みがあります。
たとえば遺産分割でもめている場合や、遺留分請求が発生する場合などは無料相談を実施している弁護士事務所への相談が有効です。
相続手続きや交渉の代行も可能なため、さまざまな相続問題をまとめて解決したい場合には弁護士へ相談するのをおすすめします。
司法書士|不動産の名義変更(相続登記)に関する相談
司法書士は、主に登記業務を得意とする専門家です。
相続財産に不動産が含まれている場合、名義を変更する「相続登記」の手続きが必要となります。
複数の不動産がある場合や相続関係が複雑な場合など、個人で相続登記を行うのが難しいケースもあるでしょう。
不動産が含まれる相続手続きで不安がある場合は、司法書士事務所の無料相談を検討してみてください。
税理士|相続税対策や相続税申告に関する相談
税理士は、税金や税務に関する専門家です。
相続財産の総額が一定額を超える場合は、相続税の申告と納付が必要となります。
相続税の計算・納付や節税対策で悩んだら、税理士事務所の無料相談を活用するのがおすすめです。
相続税は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければならないため、早めに相談して適切な対策を講じましょう。
市役所や区役所|各自治体による無料相談会を実施
市役所や区役所では、法律や税務の専門家を招いた無料相談会を開催しているケースがあります。
無料相談会では、相続の基本的な手続き方法や必要書類についての相談が可能です。
しかし、無料相談に対応する専門家が相続問題に精通しているとは限らないため、注意してください。
開催日や予約枠数が限定されている場合が多いため、詳細は各自治体のホームページなどで確認するようにしましょう。
税務署|相続税に関する基礎的な相談が可能
税務署は、相続税に関する無料相談に対応しています。
電話相談のほか、税務署に訪問して対面で相談することも可能です。
ただし、内容は相続税の制度や法解釈・手続き案内など基礎的な内容に限られます。
節税対策や申告手続きに関するサポートが必要な場合は、税理士への相談を検討しましょう。
法テラス|無料相談のほか依頼費用の立替制度もある
法テラスは、法的トラブルに対する総合案内を行っている公的な法人です。
悩みの内容に応じた相談先や、法制度の概要などを案内してくれる無料相談サービスを提供しています。
また、経済的に困窮している人を対象とした無料法律相談や、専門家依頼費用の立替も行っています。
収入や資産などの利用条件が設けられているため、対象となるかどうかは問い合わせて確認するようにしてください。
相続の無料相談を行う際の流れ
相続の無料相談を行う際の基本的な流れは、以下のとおりです。
1.無料相談を実施している専門家や機関を調べる
2.無料相談の予約をする
3.相談前に準備をする
4.予約した日時に無料相談を行う
5.専門家への依頼を検討する
まずは相談先を決めて、無料相談の予約をするところからはじめましょう。
とくに専門家の場合は無料相談を実施していない事務所もあるため、注意が必要です。
相談当日は、用意した資料や質問内容をもとにアドバイスを受け、今後の対応を検討します。
無料相談終了後には、必要に応じて専門家へ依頼しましょう。
相続の無料相談を有効に活用するための3つのポイント
相続の無料相談をより効果的に活用するためのポイントは、次の3つです。
・事前に関係書類や相談内容を準備する
・信頼できるかどうかを確認する
・複数の相談先を利用する
これらのポイントを意識しておけば、無料相談を活用して適切な解決策を見つけられます。
各ポイントについて、以下で詳しく確認していきましょう。
事前に関係書類や相談内容を準備する
無料相談を受ける際は、相続の関係書類や相談したい内容を事前に準備しておきましょう。
具体的には、遺言書・相続関係図・財産目録といった書類の準備や、質問事項のリストアップなどが有効です。
無料相談の時間は限られているため、当日に相談内容をうまく伝えられなければ有益な情報が得られなくなってしまいます。
事前準備によって専門家が状況を正確に把握できれば、より具体的なアドバイスを受けられるでしょう。
信頼できるかどうかを確認する
無料相談を受ける際には、相手の信頼性を確認することが重要です。
弁護士や司法書士などの専門家であったとしても、得意とする分野はそれぞれ異なります。
相談時の説明が丁寧でわかりやすいかどうか、豊富な知識や経験をもっているかどうかなどが指標となります。
信頼性が高ければ、相談後に正式な依頼をする場合も安心して任せられるでしょう。
複数の相談先を利用する
無料相談を活用する際は、複数の専門家への相談をおすすめします。
相続に関する問題は複雑で、多角的な視点が必要となるケースもあるためです。
一度の無料相談で解決できなかったとしても、ほかの場所で相談することで適した解決策を見つけられる可能性があります。
また、複数回の無料相談によってより信頼できる専門家を見つけやすくなるでしょう。
相続問題で悩んだときは無料相談を活用しよう
相続は複雑な手続きや法的な問題が絡むため、専門家のサポートが必要となるケースも多いです。
相続手続きを進める上で不安を感じた場合は、専門家による無料相談を積極的に活用しましょう。
相続問題を得意とする専門家であれば、問題解決に向けた適切なアドバイスを提供できます。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
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