相続問題の弁護士の選び方
〇この記事を読むのに必要な時間は約8分19秒です。
遺産相続では「手続きの進め方がわからない」「親族ともめている」など、さまざまな問題が生じるケースがあります。
疑問や不安がある場合におすすめなのが、相続問題を得意とする弁護士への相談です。
しかし、弁護士をどのように選ぶべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、相続問題における弁護士の選び方や注意点などについてわかりやすく解説します。
安心して相続問題に向き合うためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
遺産相続問題を弁護士に依頼する際の選び方5選
遺産相続の問題を弁護士に依頼する際は、次のポイントを意識して選びましょう。
・相続問題の実績や経験が豊富
・説明が丁寧でわかりやすい
・依頼する際の弁護士費用が明確
・不利な情報も事前に説明する
・税理士や司法書士などと連携している
相続では相続財産の内容や個別の状況によって問題が異なるため、適切に対処するには弁護士の選び方が重要です。
信頼できる弁護士を見つけるための選び方について、以下で一つずつ解説していきます。
相続問題の実績や経験が豊富
相続に詳しい弁護士を選ぶ際に重要なポイントの一つが、相続分野での実績や経験が豊富かどうかです。
実績のある弁護士であれば、過去の経験をもとに状況に応じた適切なアドバイスをしてくれます。
過去にどのような解決事例があるかは、法律事務所のホームページなどに掲載されている可能性があります。
相続トラブルや遺言書作成などの具体的な案件をどのくらい取り扱っているかは、依頼前にチェックしておきましょう。
説明が丁寧でわかりやすい
弁護士を選ぶ際、説明が丁寧でわかりやすいかどうかも重要です。
法律用語や難解な手続きに関して、一つひとつ丁寧に説明してくれる弁護士は信頼できるといえます。
とくに相続問題には感情的な側面も絡むため、相談者・依頼者に配慮したコミュニケーション能力も必要です。
初回相談時の説明の仕方や、質問への対応などを基準に判断していくことをおすすめします。
依頼する際の弁護士費用が明確
弁護士への相談時は、依頼する場合の弁護士費用を明確に示してくれるかどうかを確認しましょう。
弁護士費用が不透明だと、依頼後に予想外の出費が発生する可能性があります。
そのため、着手金・実費・成功報酬など、どの段階でどのくらい費用がかかるのか明確に提示してくれる弁護士を選ぶべきです。
費用の内訳は契約前に確認し、必要に応じて書面での見積もりを依頼しましょう。
不利な情報も事前に説明する
弁護士を選ぶ際は、相談者・依頼者にとって不利な情報やリスクも事前に説明してくれるかどうかも重要です。
たとえば、法的な見解や手続きの限界などを隠さずに伝え、現実的な見通しを示してくれる弁護士は信頼性が高いでしょう。
逆にいえば、楽観的な意見や成功事例だけを伝えるような弁護士には注意が必要です。
問題点やリスクを事前に理解しておければ、冷静に対策を講じられるようになります。
税理士や司法書士などと連携している
税理士や司法書士などほかの専門家と連携している弁護士を選ぶと、相続手続きをワンストップで依頼が可能です。
相続問題は法律だけでなく、税務や不動産登記など複数の分野が関わるケースがあります。
すべての相続手続きをまとめて依頼したい場合、複数の専門家に総括的にサポートしてもらえればスムーズに問題を解決できます。
どこまで対応できるのか、弁護士のネットワークや提携先についても確認しておくといいでしょう。
遺産相続に関する弁護士の選び方で注意すべきポイント
遺産相続に関する弁護士を選ぶ際には、次のような注意点を押さえておく必要があります。
・相続問題に詳しくない弁護士もいる
・ランキングや口コミだけで選ばない
弁護士選びで失敗してしまうと、相続手続きがスムーズに進まないばかりかトラブルに発展してしまう可能性もあります。
弁護士選びで気をつけるべきポイントについて、以下で具体的に確認していきましょう。
相続問題に詳しくない弁護士もいる
すべての弁護士が相続問題に詳しいとは限らない点は、事前に押さえておく必要があります。
弁護士はさまざまな分野を扱えますが、専門としている内容によって得意不得意が異なります。
とくに遺産相続の問題は特有の法律や手続きが絡むため、相続に関する知識や経験が不可欠です。
適切なサポートを受けるためにも、相続問題を専門に扱っている弁護士や実績の多い弁護士を選ぶようにしましょう。
ランキングや口コミだけで選ばない
弁護士を選ぶ際、ランキングや口コミは参考になりますが、それだけで選ぶのは避けるべきです。
雑誌やインターネット上では、評価基準が不明確なランキングが多く見られます。
また、口コミも個人の主観が大きく影響するため、すべてを鵜呑みにしてしまうのはリスクがあります。
ランキングや口コミはあくまで補助的な情報であり、必ずしも自身の状況に適しているとは限らない点に注意が必要です。
実際に依頼するかどうかは、初回相談の対応で判断するのがいいでしょう。
弁護士の選び方に関するよくある質問
弁護士の選び方について、次のような質問がよく見られます。
・相談した弁護士にそのまま依頼できる?
・弁護士費用が高いほど優秀な弁護士?
・相続トラブルで弁護士に相談するタイミングは?
自分に合った弁護士を選ぶ際には、さまざまな疑問が生じるものです。
ここではよくある質問を3つピックアップし、それぞれの疑問に答えていきます。
相談した弁護士にそのまま依頼できる?
相談した弁護士にそのまま依頼できるかどうかは、法律事務所によって異なります。
せっかく「この弁護士に依頼したい」と思っても、契約後に別の弁護士が担当するのでは選んだ意味がなくなってしまいます。
業務ごとに別の弁護士が対応する分業制を採用している事務所もあるため、事前によく確認しておきましょう。
依頼前に感じた不安や疑問は、相談時にしっかりと確認しておく必要があります。
弁護士は弁護士費用が高いほど優秀?
弁護士の弁護士費用の高さと優秀さは、イコールではありません。
弁護士費用は案件の難易度や弁護士事務所の運営コスト、地域の相場などさまざまな要因で決まります。
相場より高すぎる場合も安すぎる場合も後々問題が生じる可能性があるため、適正価格の弁護士を選ぶのが望ましいです。
複数の弁護士に相談をして、弁護士費用を比較しながら比較するのもおすすめです。
相続トラブルで弁護士に相談するタイミングは?
相続トラブルで弁護士に相談するタイミングは、個々の状況によって異なります。
しかし、「自身で解決するのが難しい」と感じたときは、早めに相談するのがおすすめです。
相続では財産調査や遺言書の有効性の確認・遺産分割など、複雑な手続きが多く負担が大きくなりがちです。
問題が深刻化する前に弁護士へ相談できれば、スムーズに解決できる可能性が高まるでしょう。
相続問題を依頼するときは選び方に注意して信頼できる弁護士を探そう
相続問題の解決に向けて行動する際は、信頼できる弁護士に相談することが大切です。
適切な弁護士を見つけるためには、実績・費用の明確さ・説明のわかりやすさなど多角的な視点で選ぶ必要があります。
可能であれば複数の法律事務所で相談し、比較しながら相性のいい弁護士を探すのが望ましいです。
相続問題を早期に解決するためにも、早い段階から自分に合った弁護士を探し、サポートを依頼しましょう。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
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