相続した土地が売れない!リスクと対処法

 

この記事を読むのに必要な時間は約8分50秒です。

親族から土地を相続したものの、「売れない」「引き取り手がいない」といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

とくに、使い道が限られる土地を相続した場合は思うように活用や売却ができず、管理負担だけが残るケースも少なくありません。

相続した土地が売れない背景には、土地の形状や災害リスク、法的な問題、市場の需要の有無といった複数の要因が絡んでいます。

今回の記事では、相続した土地が売れない理由や考慮すべきリスク、具体的な対処法について解説します。

相続トラブルを避け、将来の負担を軽減するためにもぜひ参考にしてみてください。

 

相続しても売れない土地とは?よくある特徴と注意点

相続した土地が売れない背景には、買い手が敬遠しやすい要素が含まれているケースが多いです。

とくに、以下のような特徴をもつ土地は市場での流通性が低く、買い手が現れない事態に陥る可能性があります。
・形状や大きさが悪い土地
・災害リスクがある土地
・境界が定まっていない土地
・周辺の土地需要が低い土地

以下では、相続後に売れにくいとされる土地の代表的な特徴について、具体的に確認していきましょう。

形状や大きさが悪い土地

三角形や細長い形状であったり、面積が小さすぎたり大きすぎたりする土地は、購入希望者が限られます。

これらの土地は建物が建設しにくく、住宅や施設としての活用が難しいためです。

一般的に、一戸建ての住宅を建てる際に需要が高いのは40坪から70坪程度の土地とされています。

そのため、形が悪い土地や小さい土地だけでなく、100坪以上あるような大きい土地も買い手が見つかりにくい傾向があります。

災害リスクがある土地

土砂災害警戒区域や津波浸水想定区域など、災害リスクの高いエリアの土地は、敬遠されやすい傾向にあります。

とくに近年は、自治体のハザードマップや防災意識の高まりにより、災害リスク情報が一般にも広く知られるようになりました。

その結果、購入検討段階で立地の安全性を重視する人が増えており、災害リスクがある土地は売却が難しくなっています。

しかし、災害リスクがあったとしても、需要の高い都市部の土地であれば買い手が見つかりやすいでしょう。

境界が定まっていない土地

隣地との境界線が不明確なまま放置されている土地は、買い手から敬遠されやすいです。

なんらかの理由で隣地所有者や公道との境界が確定していない土地を、「境界未確定の土地」といいます。

境界未確定の土地に建物を建築すると、隣地所有者とトラブルになったり裁判に発展したりするリスクがあります。

相続した土地で境界が曖昧な場合は、早めに調査を行い、可能であれば境界確定を済ませておくことが望ましいです。

周辺の土地需要が低い土地

周辺の土地需要自体が低い土地は、売却が難しくなります。

たとえば、人口が減少している地域や、アクセスが極端に悪い立地にある土地などです。

とくに、過疎化が進む山間部や農村地帯では、売りたくても買い手が見つからないケースもあるでしょう。

土地の相続を検討する際は、事前に周辺地域の状況や売り出し中の土地の情報も調べておくことをおすすめします。

 

売れない土地を相続したら損?考慮すべき4つのリスク

相続した土地を売却できないまま所有し続けると、以下のようなリスクが生じるおそれがあります。
・固定資産税を払い続ける必要がある
・管理を怠ると損害賠償責任を問われるおそれがある
・相続放棄しても管理義務が残る
・次の世代にも負担がかかってしまう

「土地をもっていれば資産になる」とは限らず、売れない土地が「負動産」と化してしまうケースも少なくありません。

以下では、売れない土地を相続した場合にとくに注意すべき4つのリスクについて詳しく解説していきます。

固定資産税を払い続ける必要がある

土地を保有し続ける限り、毎年固定資産税の負担が継続します。

たとえ使用していない土地や収益の出ていない土地であっても、課税は自動的に行われるため払い続けなければなりません。

固定資産税の支払いをしなかった場合、延滞金などのペナルティを受ける可能性もあるため注意が必要です。

長期間放置すればするほど累積コストが増えていくので、活用しない土地は早めの売却を検討しましょう。

管理を怠ると損害賠償責任を問われるおそれがある

土地を管理しないまま放置していると、損害賠償責任を問われるおそれがあります。

たとえば、土地に雑草が生い茂って害虫が発生したり、老朽化した建物が倒壊したりした場合などです。

土地の管理不足が原因で周辺住民に被害を与えてしまうと、所有者に対して損害賠償請求が行われる可能性があります。

使用する予定がなかったとしても、土地を相続した場合は所有者として適切な管理を行いましょう。

相続放棄しても管理義務が残る

「売れない土地なら相続放棄してしまえばいい」と考える人も少なくありません。

しかし、実際には相続放棄をしても一定の管理義務が生じる可能性があるため注意が必要です。

民法上、相続放棄をした場合でも、次の管理者が決まるまでの間は「相続財産の管理義務」が生じるとされています。

相続人全員が放棄したとしても、相続財産清算人に引き渡すまでの期間は土地を管理する義務が残る点は押さえておきましょう。

次の世代にも負担がかかってしまう

売れない土地を相続したまま放置し続けると、子どもや孫といった次の世代にも負担がかかります。

将来的に土地の処分がさらに困難になる可能性もあり、「遺された側が困る相続」になりかねません。

相続は、自分の代で終わらせることも選択肢の一つです。

次世代に不要な負担を背負わせたくない場合には、早期の整理と対応を行いましょう。

 

相続した土地が売れないときの対処法

売れない土地に対処するための主な対処法は、次の2つです。
・売却できる状態に整える
・相続土地国庫帰属制度を利用する

まずは売却できる状態に整える努力をしたうえで、それでも処分が困難な場合には所有権を手放す選択肢も検討しましょう。

それぞれの対処法について、以下で具体的に解説します。

売却できる状態に整える

土地が売れない理由は、土地の状態や情報の不備が原因である場合もあります。

その場合は、まず以下のような点を見直し、売却の可能性を高めることが有効です。
・建物を解体して更地にする
・境界の確定や地盤調査を実施する
・土地の用途や再利用方法を提案する
・不動産会社の見直しや買取専門業者に相談する
・価格を再設定する

少しの手間や費用をかけてでも、売れる状態を作れれば、早期解決への第一歩になるでしょう。

相続土地国庫帰属制度を利用する

相続した土地が売却できず、維持管理も困難な場合は、「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法もあります。

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を国に引き渡せる制度です。

ただし、引き渡す土地は「建物がない」「担保権などの設定がされている」などの一定の条件を満たしている必要があります。

すべてのケースに適用できるわけではないため、まずは制度の内容や必要書類の確認から行いましょう。

不明点や不安な点がある場合は、弁護士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

 

売れない土地の相続で悩んだときは専門家に相談しよう

土地の相続は、単に受け取るだけの手続きではありません。

その後の管理・活用・処分に至るまで、長期的な責任と判断が伴うものです。

とくに、売却が難しい土地を相続した場合、個人の力だけで解決するのは困難なケースも多いでしょう。

このような場合は、専門家のサポートを受けることで、状況に応じた適切な解決策を見つけられます。

弁護士であれば、相続放棄の可否や責任の範囲・制度の利用に関するリスクの整理や、トラブルを未然に防ぐアドバイスが可能です。

選択肢を広げ、判断のタイミングを逃さないためにも、悩んだときには早めの相談を検討してみてください。

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