遺産分割調停の呼び出しを無視するとどんなデメリットがある?

 

この記事を読むのに必要な時間は約8分47秒です。

遺産分割調停の呼び出しが家庭裁判所から届いたとき、無視したらどうなるのか不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

呼び出しを無視したからといって、ただちに相続分や財産を失うわけではありません。

しかし、正当な理由なく欠席を続けると、不利益を被るおそれがあるため注意が必要です。

今回の記事では、遺産分割調停の呼び出しを無視した場合のデメリットや、出席できないときの対処法などについて解説します。

 

遺産分割調停の呼び出しは無視してもいい?


遺産分割調停の呼び出しは、基本的に無視しない方がよいです。

まずは前提事項として、以下の項目を解説します。

・そもそも遺産分割調停とは?
・呼び出しを無視してもただちに財産を失うわけではない

遺産分割調停の概要と呼び出しを無視するとどうなるのかについて、以下で詳しく見ていきましょう。

そもそも遺産分割調停とは?

遺産分割調停とは、亡くなった人の遺産の分け方について、相続人同士の話し合いがまとまらない場合に利用する手続きです。

家庭裁判所の裁判官と調停委員が間に入り、各相続人の意見や事情を聞きながら、合意による解決を目指します。

調停では、それぞれの相続人が希望や事情を伝え、遺産の分け方をすり合わせていくことが重要です。

相続人全員が合意できれば、合意内容を記載した調停調書が作成され、その内容に沿って遺産分割を進めます。

一方で、話し合いがまとまらない場合は審判の手続きに移り、裁判官が遺産の分割方法を判断します。

呼び出しを無視してもただちに財産を失うわけではない

遺産分割調停の呼び出しを無視したとしても、ただちに相続権を失ったり、遺産を受け取れなくなったりするわけではありません。

そのため、「欠席したら財産を取られる」と過度に不安になる必要はないでしょう。

ただし、呼び出しを無視してよいという意味ではありません。

正当な理由なく調停を欠席すると、過料を科されたり、不利な状況になったりする可能性があります。

遺産分割調停への出席が難しい場合でも、呼び出しは放置せず早めに対応するようにしましょう。

 

遺産分割調停の呼び出しを無視するデメリット


遺産分割調停の呼び出しを無視すると、自分にとって不利な状況を招くおそれがあります。

主なデメリットは、次のとおりです。

・正当な理由なく無視すると過料を科される可能性がある
・特別受益・寄与分・財産評価などの主張を伝えられない
・遺産分割調停が不成立となり審判へ移行する可能性がある
・相続税申告や不動産・預貯金の手続きが遅れるおそれがある

それぞれのデメリットについて、以下で具体的に解説していきます。

正当な理由なく無視すると過料を科される可能性がある

遺産分割調停の呼び出しを正当な理由なく無視すると、5万円以下の過料を科される可能性があります。

過料とは、法律上の義務に違反した場合に科される金銭的な制裁です。

もっとも、欠席したからといって必ず過料が科されるわけではありません。

病気やどうしても外せない仕事がある、遠方に住んでいるなどの事情がある場合は、事前に家庭裁判所へ連絡することが大切です。

無断で欠席するのではなく、出席できない理由をきちんと伝えるようにしましょう。

特別受益・寄与分・財産評価などの主張を伝えられない

遺産分割調停を無視すると、特別受益や寄与分などの主張を調停委員に伝える機会を失ってしまいます。

たとえば、生前贈与を受けていた相続人がいる場合や、自分が被相続人の介護をしていた場合は、遺産の分け方に影響する可能性があります。

また、不動産の評価額や預貯金の使い込みが疑われる事情について、言い分があるケースもあるでしょう。

こうした事情は、調停に出席して説明したり資料を提出したりしなければ、主張を伝えるのが難しくなります。

遺産分割調停が不成立となり審判へ移行する可能性がある

遺産分割調停は、相続人同士の合意を目指す手続きです。

そのため、呼び出しを無視して話し合いが進まない状態が続くと、調停が不成立になる可能性があります。

調停が不成立になると審判へ移行し、裁判官が提出された資料や当事者の主張をもとに判断します。

調停に参加しないままだと、自分の意見が反映されないまま遺産の分割方法が決定するおそれがあるため注意が必要です。

相続税申告や不動産・預貯金の手続きが遅れるおそれがある

遺産分割調停の呼び出しを無視して手続きが長引くと、相続税申告や不動産・預貯金の手続きにも影響する可能性があります。

遺産の分け方が決まらなければ、不動産の名義変更や預貯金の解約・分配を進めにくくなるためです。

また、相続税が発生する場合は、原則として被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告を行わなければなりません。

遺産分割がまとまっていない場合でも、相続税の申告期限自体は延びないため注意が必要です。

相続手続きをスムーズに進めるためには、呼び出しを放置せず早めに対応しましょう。

 

遺産分割調停に出席できないときにすべき対応


遺産分割調停に出席できないときにすべき対応は、主に次の2つです。

・家庭裁判所に欠席理由を伝えて日程変更の相談をする
・弁護士に代理出席や書面対応を依頼する

無断で欠席すると、手続きへの対応を放置していると受け取られ、不利な状況につながるおそれがあります。

出席できない場合の対応方法について、以下で詳しく確認していきましょう。

家庭裁判所に欠席理由を伝えて日程変更の相談をする

遺産分割調停の期日に出席できない場合は、まず家庭裁判所へ連絡しましょう。

病気・仕事・遠方に住んでいる・介護や育児の都合があるなど、出席できない理由を具体的に伝えることが大切です。

希望どおりに期日を変更してもらえるとは限りませんが、出席できない事情を伝えるだけでも、裁判所側の受け止め方は変わります。

また、次回以降の期日や書面・資料の提出方法について確認したい場合は、あわせて相談しておくとよいでしょう。

弁護士に代理出席や書面対応を依頼する

どうしても本人が出席できない場合は、弁護士に依頼する方法もあります。

弁護士に依頼すれば、代理人として調停に出席してもらえる場合があります。

また、主張を書面にまとめてもらったり、必要な資料を整理してもらったりすることも可能です。

自分ではうまく説明できない事情があっても、弁護士に相談することで、必要な資料や主張の方向性を整理しやすくなるでしょう。

出席できない事情がある場合だけでなく、遺産分割調停に関する不安や疑問がある場合は、早めの相談をおすすめします。

 

相手が遺産分割調停の呼び出しを無視する場合の進め方

相手が遺産分割調停の呼び出しを無視している場合は、調停が不成立となり、審判へ移行する可能性があります。

審判では、裁判官が提出された資料や当事者の主張をもとに、遺産の分け方を判断します。

そのため、相手が出席しない場合でも、自分の主張や証拠をきちんと準備しておくことが大切です。

なお、相手が調停に応じないとしても、感情的に何度も連絡するのは避けた方がよいです。

かえって対立が深まり、解決までに時間がかかるおそれがあります。

相手の欠席が続く場合は、家庭裁判所での手続きの進行を確認しながら、審判を見据えて準備を進めるようにしましょう。

 

遺産分割調停の呼び出しは無視せず早めに対応しよう

遺産分割調停の呼び出しが届いたときは、放置せず、まず内容を確認して対応方針を検討しましょう。

出席が難しい事情があっても、家庭裁判所に連絡したり、書面で意見を伝えたりすれば、不利益を減らしやすくなります。

相続の問題では、財産の分け方だけでなく、これまでの家族関係や感情的な対立が影響するケースも少なくありません。

相続人の間で争いがある場合や、調停の進め方で悩んだときは、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。

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