公正証書遺言とは?メリット・デメリットや流れまで。すべてわかりやすく解説

 

この記事を読むのに必要な時間は約8分35秒です。

「公正証書遺言はどのようなもの?」「自筆の遺言書との違いは?」といった疑問を感じている人もいるのではないでしょうか。

公証人が公正証書で作成する遺言を、公正証書遺言といいます。

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認しながら、証人2名の立会いのもとで作成する遺言方法です。

今回の記事では、公正証書遺言の概要やメリット・デメリット、必要書類や作成の流れなどをわかりやすく解説します。

 

公正証書遺言とは?基本と自筆証書遺言との違い

まずは公正証書遺言とはどのようなものなのか、下記の2つの項目から解説します。

・公正証書遺言とは
・自筆証書遺言との違い

以下で、それぞれの基本を見ていきましょう。

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、遺言者本人が公証人と証人2名に伝えた遺言内容を、公証人が文書にまとめる遺言方式です。

公証人とは、法務大臣から任命され、公証役場で公正証書の作成や私文書の認証などを行う公務員です。

公正証書遺言は法律上の方式を満たした形で作成しやすく、形式ミスによる無効のリスクが低い特徴があります。

遺言書の原本は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんのリスクを抑えたい人にも向いているでしょう。

自筆証書遺言との違い

公正証書遺言と自筆証書遺言はどちらも一般的な遺言書の方式ですが、以下のような違いがあります。

公正証書遺言 自筆証書遺言
作成方法 公証人が作成する 遺言者の自書で作成する(財産目録は例外あり)
署名等 遺言者・公証人・証人 遺言者
証人 2名必要 不要
保管場所 公証役場 自宅または法務局
手数料 あり なし(法務局で保管する場合は手数料あり)
家庭裁判所の検認 不要 必要(法務局保管の場合不要)

自筆証書遺言は遺言者自身で作成でき、費用もかからないため、手軽に準備しやすい方法です。

ただし、自宅で保管する場合は紛失や改ざんのおそれがあり、相続開始後は原則として家庭裁判所の検認も必要になります。

一方で、公正証書遺言は手間と費用がかかるものの、公証人が関与するため形式上の不備や改ざんなどのリスクが低い点が特徴です。

作成の手軽さを重視するなら自筆証書遺言、確実性を重視するなら公正証書遺言が向いているといえるでしょう。

 

公正証書遺言のメリットとデメリット

公正証書遺言は遺言の内容を確実に残しやすい方法ですが、費用や準備の負担が生じる面もあります。

自分に合った遺言方法を選ぶためには、メリットとデメリットの両方を知っておくことが大切です。

以下では、具体的なメリットとデメリットについて解説していきます。

公正証書遺言の主なメリット

公正証書遺言の主なメリットは、以下のとおりです。

・方式不備による無効のリスクを抑えやすい
・紛失や改ざんのおそれが少ない
・相続開始後の検認が不要なため手続きを進めやすい
・自書が難しい場合でも利用しやすい

公正証書遺言は、「作成時」と「相続開始後」の両方で安心につながりやすい点が特徴です。

手間や費用をかけてでも、きちんと遺言の意思を残したい人に向いています。

とくに財産が多い場合や家族関係が複雑な場合には、確実性を重視するために公正証書遺言を検討しましょう。

公正証書遺言の主なデメリット

メリットが多い一方で、公正証書遺言には以下のようなデメリットも存在します。

・作成手数料や専門家への報酬などの費用がかかる
・必要書類の準備や公証人との打ち合わせなどの手間がかかる
・証人2名の立会いが必要になる
・相続トラブルを完全に防げるわけではない

遺産総額や専門家への依頼の有無などによって金額が異なりますが、公正証書遺言の作成には費用がかかります。

また、書類の準備や証人の用意・公証人との調整も必要になるため、作成するまでに手間と時間もかかります。

形式面で不備のない遺言書を作成したとしても、内容に偏りがあると相続人の不満につながる可能性がある点にも注意が必要です。

 

公正証書遺言の必要書類・費用・作成の流れ

公正証書遺言を作成する際は、事前に下記の3つの内容を押さえましょう。

・公正証書遺言の必要書類と費用
・公正証書遺言の証人になれる人・なれない人
・公証役場で公正証書遺言を作成する当日の流れ

あらかじめ準備しておけば、公証人との打ち合わせが進めやすくなり、作成当日も落ち着いて手続きに臨めるでしょう。

以下では、必要書類と費用・証人の条件・当日の流れを順番に解説していきます。

公正証書遺言の必要書類と費用

公正証書遺言を作成する際の主な必要書類は、次のとおりです。

・遺言者本人の確認資料
・証人の確認資料
・遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
・遺言執行者の確認資料(遺言執行者を指定する場合)
・受遺者の住所がわかる資料(相続人以外に遺贈する場合)
・遺言に記載する財産にかかわる資料

財産の内容によっても必要となる書類は大きく異なるため、公証役場に確認しながら準備を進めましょう。

公証役場に支払う作成手数料は、遺言の対象となる財産の価格によって細かく決められています。

具体的な手数料は財産額や配分によって異なるため、公証役場への事前確認が重要です。

なお、司法書士や弁護士などの専門家にサポートを依頼する場合、依頼費用も追加で発生します。

公正証書遺言の証人になれる人・なれない人

公正証書遺言の作成では、証人2名の立会いが必要です。

しかし、以下のいずれかの条件に当てはまる人は証人に指定できません。

・未成年者
・推定相続人
・遺贈を受ける人
・推定相続人や受遺者の配偶者
・推定相続人や受遺者の直系血族などの利害関係人
・公証人の配偶者・四親等内の親族・書記および使用人

反対にいえば、上記に該当しない成年者であれば証人候補になります。

証人候補となる人の中から、遺言書の内容を知られてもよい信頼できる人物を指定しましょう。

なお、証人が見つからない場合には公証役場で紹介を受けられるため、無理に指定する必要はありません。

公証役場で公正証書遺言を作成する当日の流れ

公正証書遺言を作成する際は、まず遺言の内容や必要書類・証人などの準備を進めます。

公証人との事前相談を経て作成する日時の予約ができたら、その日時に公証役場へ出向きましょう。

当日の流れは、おおむね次のとおりです。

・遺言者の本人確認をする
・遺言者が公証人と証人2名の前で遺言内容を口頭で伝える
・公証人が作成した公正証書遺言の内容を、遺言者と証人に読み聞かせるまたは閲覧させる
・内容に誤りがないことを確認したうえで、遺言者と証人が署名等を行う
・最後に公証人が署名等を行い公正証書遺言が完成する

病気や高齢などで公証役場へ行くのが難しい場合は、公証人が自宅や病院などへ出張して対応するケースもあります。

特別な事情があるときは、公証役場に早めに相談しましょう。

 

公正証書遺言で迷ったときは専門家に相談しよう

公正証書遺言を作るか迷ったときは、一人で結論を急がず、早めに弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

遺言は、誰にどの財産をどのように残すかによって、将来の手続きのしやすさや家族の受け止め方が大きく変わるためです。

自分では公平に考えたつもりでも、法的な観点や相続人の事情を踏まえると、見直したほうがよい点が見つかる可能性もあります。

弁護士に相談すれば、希望をどう文案に落とし込めばよいか、どのような点に配慮すべきかを客観的に確認しやすくなるでしょう。

納得できる形で意思を残し、残された家族の負担を減らすためにも、迷った段階で専門家のサポートを得ることが大切です。

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