相続手続きは何をすればいい?手続き一覧を紹介
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家族が亡くなり相続が発生すると、多くの手続きを進めなければなりません。
期限が定められているものも多いため、「なにをどの順番でやるべきか」がわからず混乱する人も少なくありません。
今回の記事では、相続手続きの一覧を期限別に整理し、それぞれの手続きについて解説します。
必要な手続きを漏れなく進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【期限別】家族が亡くなったときに行う相続手続きの一覧

家族が亡くなったあとの相続手続きは、期限によってやるべきことが異なります。
中には期限を過ぎると法的な不利益を受ける手続きもあるため、早めに全体像を把握しておきましょう。
・相続開始直後から7日以内に行う手続き
・10日~14日以内に行う手続き
・1ヶ月以内に行う手続き
・2ヶ月~4ヶ月以内に行う手続き
・10ヶ月~1年以内に行う手続き
・2年~5年以内に行う手続き
以下では、相続開始直後から5年以内までに必要となる主な手続きを、期限ごとに解説していきます。
相続開始直後から7日以内に行う手続き
家族が亡くなってから最初の数日は、葬儀や死亡届の提出など、すぐに対応すべき手続きを行います。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 死亡診断書の受け取り | 死亡当日または翌日 | 病院 |
| 死亡届の提出 | 7日以内 | 市区町村役場 |
| 火葬・埋葬許可申請 | 7日以内 | 市区町村役場 |
| 健康保険組合への死亡届の提出(会社員の場合) | 5日以内が目安 | 各健康保険組合 |
| 金融機関への死亡連絡・口座凍結 | できるだけ早め | 各金融機関 |
| クレジットカードの解約 | できるだけ早め | 各クレジットカード会社 |
死亡届の提出後でないと進められない手続きも多いため、まずは死亡診断書の取得と届け出を最優先で進めましょう。
金融機関への連絡やクレジットカードの解約には法的な期限はありませんが、不正利用を防ぐためにも早めに行うのが望ましいです。
10日~14日以内に行う手続き
1週間を過ぎると、各種保険の停止手続きや世帯主変更の届け出が必要になります。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 年金受給停止手続き | 10日以内 | 年金事務所 |
| 健康保険の資格喪失届の提出(国民健康保険の場合) | 14日以内 | 市区町村役場 |
| 世帯主変更届の提出 | 14日以内 | 市区町村役場 |
| 介護保険資格喪失届の提出 | 14日以内 | 市区町村役場 |
とくに年金は死亡後に受け取ると不正受給となってしまう可能性もあるため、早めに停止手続きを行いましょう。
1ヶ月以内に行う手続き
死亡直後から14日以内に行う手続きが一段落したら、死亡退職金の請求や各種サービスの解約手続きを進めます。
また、相続手続きにおいては遺言書の内容に従うことが原則であるため、遺言書の有無も早めに確認しておきましょう。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 死亡退職金や給与の請求(会社員の場合) | 1ヶ月以内が目安 | 被相続人の勤務先 |
| 賃貸住宅の名義変更・解約 | 1ヶ月以内が目安 | 不動産会社や管理会社 |
| 公共料金・サービスの名義変更または解約 | 1ヶ月以内が目安 | 各サービス提供会社 |
| 公正証書遺言書の有無の確認と検認 | 1ヶ月以内が目安 | 家庭裁判所または公証役場 |
2ヶ月~4ヶ月以内に行う手続き
期限が決まっている相続放棄の判断や相続税申告の準備を行うために、この時期から本格的に相続手続きを進めます。
まずは相続人と相続財産を調査し、相続の全体像を把握しましょう。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 相続人の調査 | 2ヶ月以内が目安 | 市区町村役場 |
| 相続財産の調査 | 2ヶ月以内が目安 | 自宅や金融機関など |
| 遺産分割協議の開始 | 2ヶ月以内が目安 | – |
| 相続放棄または限定承認の申述 | 3ヶ月以内 | 家庭裁判所 |
| 準確定申告 | 4ヶ月以内 | 税務署 |
被相続人(亡くなった人)が確定申告の必要な立場だった場合には、「準確定申告」という手続きも必要です。
10ヶ月~1年以内に行う手続き
相続税の申告・納付期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内となります。
遺産総額が基礎控除額を超えている場合は相続税申告が必要となるため、間に合うように手続きを進めましょう。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 遺産分割協議書の作成 | 遺産分割協議後すぐ | – |
| 相続した財産の名義変更 | 遺産分割協議書作成後すぐ | 金融機関など |
| 相続税の申告・納付 | 10ヶ月以内 | 税務署 |
| 遺留分侵害額請求 | 1年以内 | 相手方へ請求 |
なお、法律で最低限保障された遺産の取り分が侵害された場合は、取り戻し請求(遺留分侵害額請求)が行えます。
2年~5年以内に行う手続き
相続開始後2年〜5年以内に行うべき手続きは、以下のとおりです。
| 手続きの名称 | 期限・手続きを行う目安 | 提出先・関係先 |
| 国民健康保険葬祭費の請求 | 2年以内 | 市区町村役場 |
| 高額療養費の払い戻し申請 | 2年以内 | 市区町村役場 |
| 不動産の相続登記 | 3年以内 | 法務局 |
| 生命保険の死亡保険金請求 | 3年以内(保険会社により異なる) | 保険会社 |
| 遺族年金の請求(厚生年金・国民年金) | 5年以内 | 年金事務所 |
この期間の手続きは「請求すれば受け取れるもの」が多いため、対象となる場合は忘れずに申請しましょう。
不動産の相続登記に関しては3年以内が期限ですが、不利益を避けるためにも早めに手続きを進めておくことが望ましいです。
相続手続き一覧を活用するうえで押さえておくべきポイント

相続手続き一覧を活用するうえで押さえておくべきポイントは、次の2つです。
・期限に間に合うよう順に進める
・迷ったときや不安があるときは専門家に相談する
こうした視点を意識することで、トラブルを防ぎながらスムーズに手続きを進められます。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく確認していきましょう。
期限に間に合うよう順に進める
相続手続きでは、「なにをいつまでにやるか」を把握し、優先順位をつけて進める必要があります。
理由は、手続きによっては法的な期限が定められているためです。
期限を過ぎてしまうと、重要な権利を失ったり、ペナルティを科されたりといった不利益を被る可能性があります。
一覧表をもとに「いまやるべきこと」「次にやるべきこと」を明確にし、余裕をもたせたスケジュールで手続きを進めましょう。
迷ったときや不安があるときは専門家に相談する
相続の手続きは複雑で、法律・税金・不動産など幅広い知識が求められます。
自己判断で手続きを進めた結果、ミスや申告漏れが発覚し、余計な費用やトラブルが発生してしまうケースもあるでしょう。
少しでも迷いや不安を感じたときには、早めに専門家への相談を検討してみてください。
相続手続き全般や相続トラブルの相談は弁護士、相続税の相談は税理士、不動産相続の相談は司法書士が適しています。
専門家のサポートをうまく活用すれば、円滑に相続手続きを進められるでしょう。
相続手続きを進める際は一覧を活用し、必要に応じて専門家への相談も検討しよう
相続は、誰しもが経験しうる重要な手続きです。
手順の多さに圧倒されがちですが、冷静に一覧を活用すればやるべき手続きが明確になり、ミスや漏れを防げます。
しかし、すべてを完璧に自力でこなす必要はありません。
まずは一覧を確認し、現状の自分が対応すべき手続きに集中しましょう。
そして必要に応じて専門家の力も借りながら、確実に進めることが重要です。
「どの手続きが必要なのかわからない」「自分で進めるのが不安」と感じたときは、早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
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