遺産分割協議とは何ですか?
〇この記事を読むのに必要な時間は約2分35秒です。
目次
遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、法定相続人が相続財産の分け方を話し合って決める手続きのことです。
人が亡くなって相続が開始すると、遺産相続方法を決めなければなりません。遺言があったら遺言内容が優先されますが、遺言がない場合には、法定相続人が遺産を取得します。このとき、法律では法定相続分(割合)しか決められていないので、具体的に誰がどの遺産を受け継ぐのかは、話合いで決めないといけません。
法定相続人が1人でも欠けていると、遺産分割協議は無効になりますので、遺産分割協議を行うときには、相続人全員が参加する必要があります。そのため相続人調査は、事前にきっちりしておく必要があります。
遺産分割協議を行わないと、遺産は相続人全員の共有状態になっているため、相続人の中の一人が勝手に処分することはできません。遺族が現実に遺産を受け取るためには、遺産分割協議の手続を行う必要があるのです。
遺産分割協議を進めるときには、必ずしも全員が同じ場所に集まる必要はありません。遠方に居住する相続人がいる場合には、電話やメールなどを使って話し合いを進めることも可能です。
遺産分割協議をするとき、法定相続分に従って遺産を分けるのが基本ですが、必ずしもその通りにしなければならないわけではありません。法定相続人が全員納得したら、法定相続分を無視した取り決めもできます。法定相続人であっても、遺産分割によってなにも相続しないようにすることもできます。
相続人同士の意見が対立する場合や、遺産分割手続きに対応するのが面倒な場合には、弁護士に代理を依頼することも可能です。
遺産分割協議書を作成しましょう
全員が合意することができたら、合意内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書は、不動産の名義書換や預貯金の解約払い戻しなどの各種の相続手続きに必要になる非常に重要な書類です。
当事務所では、遺産分割協議書を作らなかったり、不十分な遺産分割協議書を作成してしまって、後から紛争になって困ったという相談を多く経験しています。
作成方法がわからない場合には、弁護士に作成を依頼することもできますし、遺産分割協議書の案を事前に弁護士にチェックしてもらって不備がないかを確認してもらうこともできます。
せっかく遺産分割協議が成立したのであれば、後の紛争を予防することができる遺産分割協議書をきちんと作成されることをおすすめいたします。
弁護士法人ふくい総合法律事務所
最新記事 by 弁護士法人ふくい総合法律事務所 (全て見る)
- 相続の限定承認とは?内容や手続きを分かりやすく解説 - 9月 30, 2024
- 9月28日(土)の休日相続・遺言無料相談会の受付は終了しました。 - 9月 27, 2024
- 相続放棄の基本的な流れとメリット・デメリット - 9月 24, 2024
相続Q&Aの最新記事
- 不動産ではなく代償金がほしいのですが、実家の跡取りとなった長男が代償金を払うだけの金銭を持ってません。不動産は取得したくないのですがどうしたらいいですか?
- 自宅不動産を取得したいのですが、弟から多額の代償金求められました。払いきれる金額ではないのですが、払わないとどうなりますか?
- 後妻が後妻の連れ子と亡き父の家に住み続けています。その家を売却して相続人で等分したいのですがどうしたらいいですか。
- 会社の不動産(社屋・工場など)の評価額や株価が高すぎるので、今から相続対策したいのですがどうしたらいいですか。
- 会社を経営する父が突然亡くなり(会社の相続・株価など)経営権を持つ相続人(子)と遠方の相続人で揉めています。今後どう対応したらよいでしょうか?
- 不要な不動産(山・家・田畑)があるので、相続放棄して責任から逃れることはできますか?
- 土地や建物が亡くなった祖父名義のままになっています。処分や取得したい場合はどうしたらいいですか?
- 遺産である家が空き家になっているので処分したいのですがどうしたらいいですか?
- 亡くなった父に認知した子がいる場合どのくらい相続権が認められるのですか?
- 貸金庫を契約しています。もし自分が亡くなったときは、娘に金庫を開けてほしいのですが、遺言で貸金庫を開ける人を指定することは可能ですか?
- 生前、私は父から新築費用として1000万円の贈与を受けました。父は、贈与する際、私に対し、自分が亡くなってもこの1000万円は遺産分割に影響しないことにすると言っていましたが、一体どういうことでしょうか?
- 長男の私だけが父から生前に贈与を受けています。相続となった場合、遺留分の主張に影響するでしょうか?
- 父が亡くなり、兄から父の遺言書があると言われました。本当に父が書いたものか疑わしいですが、どうしたらよいでしょうか?
- 父と母が離婚した後、私は母に引き取られ、父とは長年会っていません。今更父の遺産を相続したいとは思わないので、事前に相続放棄をしたいのですが、手続はどうしたらよいでしょうか?
- 父の遺産を母が独り占めするかもしれません。公平に遺産分割したいのですが、どうしたらよいでしょうか?
- 葬式の費用は遺産から支払ってもよいのでしょうか。
- 香典は遺産に含まれるでしょうか。
- 愛人にも相続する権利はあるのでしょうか。
- 養子縁組した場合の相続について教えてください。
- 遺産分割調停を欠席するとどうなるのか教えてください。
- 寄与分とその具体例を教えてください。
- 特別受益の対象例を教えてください。
- 遺産分割を放置するとどうなりますか?
- 遺留分の請求には期限があると聞いたのですが具体的に教えてください。
- 動産(衣服・写真・自動車・芸術品など)の財産の評価はどうなりますか?
- 遺産分割で、借金(債務)はどう扱えばいいでしょうか?
- 遺産分割調停の時点で弁護士を依頼するべきでしょうか?
- 前妻の子にも相続権があると聞いたのですが、詳しく教えて下さい。
- 代襲相続ができるケースを教えてください。
- お墓は相続財産として遺産分割することはできますか?
- 相続人から虐待されています。相続人の廃除ができるのでしょうか?
- 相続欠格とは何ですか?どのようなときに欠格者になるのですか?
- 遺言を作成したいのですが、遺留分を主張されると困ります。遺産を残したくない相続人に、遺留分を放棄させることはできますか?
- 遺留分を請求したいときには、どのような手続きを利用すれば良いのでしょうか?
- 法定相続人なのに遺言があるので遺産をもらうことができません。何ももらえないままなのでしょうか?
- 寄与分がある場合の遺産の計算方法を教えて下さい
- 寄与分が認められるケースはどのような場合ですか?
- 私は、生前親の介護に専念してきたのですが、遺産を多くもらうことはできますか?寄与分とは何ですか?
- 特別受益があるときの遺産の計算方法を教えて下さい。
- 生命保険の受取りは、特別受益になりますか?
- 特別受益があるとき、特別受益の財産や他の相続財産は、いつの時点の評価を基準に評価したら良いですか?
- 相続人の中に、生前贈与を受けている人がいます。特別受益があるのでしょうか?特別受益はどのようなケースで認められるのですか?大学の費用も特別受益になりますか?
- 将来の相続トラブルを効果的に防ぐには、どうしたら良いでしょうか?
- 遺贈と死因贈与は何が違うのですか?
- 遺言執行者に指定されているのですが、何をしたら良いのですか?断ることはできますか?
- 遺言執行者の選任方法や解任方法を教えて下さい
- 遺言を確実に実現する方法があるのですか?遺言執行者とは何ですか?
- 遺言書の検認とは何ですか?
- 秘密証書遺言とは、どのような遺言ですか?
- 自筆証書遺言と公正証書遺言は、どちらがおすすめなのでしょうか?
- 公正証書遺言とはどのような遺言ですか?作成方法も教えて下さい。
- 自筆証書遺言の作成方法を教えて下さい
- 内縁の妻に遺産を残したいときには、どうしたらいいですか?何もせずに放っておくと、私の前妻との子どもとの間でトラブルになるのでしょうか?
- 遺産分割協議をしても話合いがまとまらない場合、どのようにしたらいいでしょうか?
- 遺産分割協議をして不動産を相続しました。登記をしないで放っておくと問題がありますか?
- 不動産を共有にしたままだと、問題がありますか?
- 換価分割とはどのような方法ですか?メリットとデメリットを教えて下さい
- 代償分割とはどのような方法ですか?メリットとデメリットを教えて下さい
- 遺産分割の方法で、現物分割とはどのような手続きですか?メリットやデメリットも教えて下さい。
- 相続人に認知症の人がいるとき、遺産分割はどのように進めたらいいですか?
- 相続人に未成年者がいるときの遺産分割協議はどうしたらいいです
- 遺産分割協議を行う前に、相続人を調べる方法を教えて下さい
- 法定単純承認とは何ですか?相続放棄ができなくなるのですか?
- 相続放棄の期限はいつまでですか?
- 限定承認の手続きは、どのようなものになりますか?
- 相続放棄の方法を教えて下さい
- 借金を相続したくない場合、どうしたらいいですか?
- 借金は相続の対象になりますか?遺産分割協議をして、一部の相続人に集中して借金を相続させることはできますか?
- 養子の子どもは代襲相続できるのでしょうか?
- 甥や姪の子どもは代襲相続しないのですか?
- 代襲相続とは何ですか?
- 法定相続人は誰ですか?それぞれの法定相続分はどのくらいですか?
- 親が不動産を借りていたのですが、相続人が代わりに賃料を払わないといけないのでしょうか?
- 祭祀財産はどのようにして分けるのですか?
- 相続財産にならないものはどのようなものですか?
- 相続財産にはどのようなものがありますか?